著者:永井敦史税理士事務所・永井敦史法律事務所

相続登記の登録免許税の特例

相続又は遺贈により土地の所有権を取得した人が、所有権の移転の登記をしないまま死亡した場合には、その亡くなった人の名義に変更する登記については登録免許税がかからないことになりました。

具体的にいうと、AからBへの所有権移転の登記をする場合に、登録免許税がかからないことになりました。

【留意点】

1.これは2018年4月1日から2021年3月31日までの3年間に登記申請をする場合の特例です。

2.土地についてのみ対象であり、建物は対象外です。

3.BからCへの所有権移転の登記は対象外です。

4.一定の場合は、Aから直接Cに名義を移転させることが可能ですが、この場合も対象外です。

5.Aから完全な所有権を移転させる場合のみならず、共有持分を移転させる場合も対象となります。

 

空家問題などの問題を背景にこのような措置が講じられたのですが、どのくらいの人がこの特例が使えるのかは?のところはありますが、利用できる人にとっては朗報です。

(根拠条文)
租税特別措置法84条の2の3

 

著者:永井敦史税理士事務所・永井敦史法律事務所

遺産分割協議書に押す印鑑は実印である必要があるか?

相続人同士で遺産の分け方を話し合ってまとまった場合、それを書面の形に残すのが通常です。

その書面を「遺産分割協議書」と呼んでいます。

遺産分割協議書に押す印鑑は実印でなければならないのか?というのが今回のテーマです。

 

実印とは?

印鑑については、実印、銀行印、認め印など色んな言葉が使われます。

これらは全て法律用語ではありませんが、次のように理解されています。

① 実印

  市町村で印鑑登録がされている印鑑のことを実印と呼んでいます。

  実印というと、複雑で少し高価な印鑑をイメージしてしまいます。

  しかし、印鑑登録がされていれば、値段は関係ありません。

② 銀行印

  金融機関に届けている印鑑のことを銀行印と呼んだりします。

③ 認め印

  実印以外の印鑑を認め印と呼ぶことが多いと思います。

  「認め印で結構です。」という文章は、実印で押印する必要はないというメッセージです。

 

民法には実印でなければならないとは書かれていない

産分割については民法という法律に色々定めてあります。

しかし、遺産分割協議書に実印を押さなければならないとは書かれていません。

そのため、裁判所では、相続人本人の印鑑が押されていれば実印でなくても有効と扱われます。

じゃあ、遺産分割協議書に実印を押す必要はないのでは?となりそうです。

実は、裁判所以外では実印が押された遺産分割協議書+印鑑登録証明書を求められることが多いのです。

 

銀行に提出する場合

亡くなった人の預金を自分の名義に変えようとする場合、銀行で手続きをしなければなりません。

そのときに遺産分割協議書があれば、それも銀行に提出します。

そのときには、実印が押された遺産分割協議書+印鑑登録証明書 を求められるのが通常です。

 

法務局に提出する場合

亡くなった人が土地や建物を持っていた場合には、登記を亡くなった人から自分の名義に変える必要があります。

その手続きは法務局で行います。

この場合も、実印が押された遺産分割協議書+印鑑登録証明書 を提出しなければなりません。

 

税務署に提出する場合

相続税が課税される場合には、相続税の申告をしなければなりません。

このときも、実印が押された遺産分割協議書+印鑑登録証明書 を提出しなければなりません。

 

まとめ

このように見ていくと、遺産分割協議書に実印を押すことを求めるところが多いことが分かります。

それゆえ、遺産分割協議書には実印を押すべきということになります。

著者:永井敦史税理士事務所・永井敦史法律事務所

相続税の申告の際添付する戸籍謄本がコピーでよくなりました

相続税の申告をするときには、亡くなった方の全ての相続人を明らかにする戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本を提出する必要があります。

これまでは、税務署に、市役所や区役所から交付された戸籍謄本などのいわば原本を提出しなければならないこととなっていました。

ただ、実際のところ、戸籍謄本などのコピーを提出しても特に何も言われないということもままあったようですが、法令の建前は、コピーの提出は認められていませんでした。

ところが、平成30年4月1日以後に申告書を提出する際には、正式に戸籍謄本などのコピーを提出してよいこととなりました

また、平成29年5月から法務局で交付されることとなった「法定相続情報一覧図」を戸籍謄本に代えて提出することができるようになりました。これも「法定相続情報一覧図」そのものを提出することもできますし、コピーでも構いません。

そのため、

① 戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本そのものを提出する

② 戸籍謄本などのコピーを提出する

③ 法定相続情報一覧図を提出する

④ 法定相続情報一覧図のコピーを提出する

のいずれでもよくなりました。

不動産の登記申請などの際にも、戸籍謄本などが必要になりますので、これまでは同じものを複数取っていた方もいると思いますが、これからは取る枚数が少なくて済みそうです。