佐賀県警が2025年9月8日付けで、科学捜査研究所の職員を懲戒免職にし、その理由が 2017年6月から2024年10月までの間、DNA型鑑定作業で不適切な鑑定を行ったとのことです。
この職員が担当した632件のDNA鑑定のうち、130件が不適切と判断され、実際には鑑定をしていないのにもかかわらず、鑑定を実施したかのように報告したとのことです。
DNA鑑定の鑑定作業の手順や方法がマニュアルとおりではなかったということなら、不適切という表現も理解できるが、そもそも鑑定自体をしていなかったのであれば、不適切と表現する以前の問題だろうと思います。
性犯罪や殺人事件の場合、犯人を探し当てるために、唾液や血痕等のDNA鑑定が行われることが多く、それが犯人を特定するときの決めてになることもありますが、そのような重要な証拠の信用性が揺らぐというのは大問題です。
鑑定の作業は録画等はされていないため、このような不正が行われると発見困難なのが実情です。
ただ、以前にも科学捜査研究所で鑑定を実際にはやっていなかったのに、鑑定をしたかのように装ったとして問題になったことがあり、そのときはDNA鑑定ではなく、薬物の鑑定だったと記憶しています。