ご相談・お問い合わせ予約はコチラから

坂本弁護士一家殺害事件のメモリアルを訪ねて~爺ヶ岳登山後

2025年のお盆の時期に長野県と富山県の県境にある爺ヶ岳に行ってきました。

爺ヶ岳は北アルプスの山の中では日帰り可能な初級者向きの山とされています。ただし、登山口から山頂までコースタイムで4~5時間かかりますので、北アルプス初級者向けということで、登山初級者向けということではありません。

黒部ダムへの玄関口である扇沢駅の駐車場に車を止め、そこから歩いて15分ほどのところにある柏原新道登山口からスタート。

登山の途中で撮影 針ノ木岳に雲がかかっています。


扇沢駅から数キロ離れた大町ダム小太郎広場の一角に坂本弁護士一家殺害事件のメモリアルが設置されています。
下山後、そこを訪れました。


1995年にオウム真理教が地下鉄サリン事件を起こしましたが、坂本弁護士はそれ以前から教団の信者の脱会支援に尽力していました。
教団がそれを疎ましく思い、坂本弁護士のみならず、妻と子どもも殺害したのが坂本弁護士一家殺害事件です。


坂本弁護士の子どもの龍彦ちゃんの遺体が発見されたのが、長野県大町市平であったため、この地にメモリアルが建立されました。

なお、同様のメモリアルが富山県の僧ヶ岳付近にもあるようです。中部弁護士会連合会の刑事弁護委員会の仕事で富山県に行くときがありますので、そのような折に訪れたいです。

扇沢駅は、黒部ダムに向かう電気バスの出発点ですが、その周辺にある北アルプスの山々(針ノ木岳、蓮華岳、爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳等)への登山の拠点にもなっています。私が行ったときには、お盆の時期ということもあるのですが、たくさんの人でごった返していました。

これに対して、メモリアルのある大町ダム小太郎広場は、扇沢駅に通じる道路の途中で曲がり少し行ったところにあります。普段観光客が立ち寄るようなところではないと思われ、私が行ったときも誰もいませんでした。

ヒグラシ(蝉)の鳴き声が聞こえるひっそりとした雰囲気で、霊魂を鎮める場所としてふさわしいところのように感じました。

メモリアルの前に真新しい花が手向けられていました。この地域の方で鎮魂の祈りを捧げている人がいらっしゃるんでしょうか。

坂本弁護士一家が殺害されたのが1989年ですが、当時からオウム真理教が疑われていたものの犯人は検挙されず、オウム真理教が1995年に地下鉄サリン事件を犯し、その後、教団幹部が自供したことがきっかけで遺体が発見されるに至りました。

オウム真理教事件が起きたときは私が中学生でしたが、テレビで大々的に報道されていたことをうっすらと記憶しております。

オウム真理教事件が起きた1995年から既に30年が経過しています。

今は25歳前後で弁護士になる方が多いですので、新たに弁護士になる人にとってはオウム真理教事件は自分が生まれる前の歴史的な出来事なんですよね。


メモリアルには、「私達は、坂本弁護士が弁護士としての使命を命懸けで遂行する中で、その家族まで犠牲となったことを永く忘れることなく、その使命をしっかり引き継ぐことを誓って、ここにメモリアルを建立する。」との一文があります。

時の経過とともに記憶の風化は避けられないところがありますが、記憶を承継する一環として記事を残したいと思います。

合掌

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!