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住宅ローン控除の適用を受けたい方

住宅ローン控除の適用を受けるには、適用を受ける初めての年に確定申告が必要となります

住宅ローンを組んでマイホームを購入した方で、住宅ローン控除の適用を受けるには確定申告が必要となります。

会社員や公務員など給与を受けている方の場合、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除の手続ができますが、適用を受ける最初の年は確定申告が必要です

個人事業主の方の場合は、年末調整の手続がありませんので、毎年確定申告の手続で住宅ローン控除の適用を受けることになります。


ところで、住宅ローン控除は、購入したマイホームに住み始めたときを基準とすることになっています

住宅の引き渡しを受けたときではありませんので、ご注意ください。

例えば、2023年(令和5年)10月に引き渡しを受けて、翌月11月に引越しをして住み始めた場合、マイホームに住み始めたのが令和5年ですので、住宅ローン控除の適用は令和5年からとなります。

そして、令和5年分の確定申告は、2024年(令和6年)3月15日までに行うことになります。

これに対して、2023年(令和5年)10月に引き渡しを受けて、2024年(令和6年)1月に引越しをして住み始めた場合、マイホームに住み始めたのが令和6年ですので、住宅ローン控除の適用は令和6年からとなります。


そのため、この場合は、令和6年分の確定申告で初めて住宅ローン控除の適用を受けることになり、その手続は2025年(令和7年)の確定申告期限(2025年3月17日になる見込)までに行うことになります。

住宅ローン控除の適用を受けられる条件

住宅ローン控除の適用条件は、結構細かく設定されております。厳密な条件は、国税庁のサイト「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」に掲載されています。

ここでは、住宅ローン控除の適用条件で注意を要するものを解説します。

① マイホームの引き渡しから6ヵ月以内に引越しをして住み始めること

この条件を満たしていないと1年目だけでなく、一切住宅ローン控除の適用が受けられませんので、ご注意ください。

子どもの学校の関係で3月頃に引越しをしたいと思う方がいらっしゃるかもしれませんが、例えば、2023年6月30日に引き渡しを受けていると、2024年3月に引越しをすると、引き渡しを受けた日から6ヵ月以内に住み始めていないということになりますので、住宅ローン控除の適用は受けられません。


また、当初、投資目的でマンションを購入して他人に貸していたんだけれども、借りていた方が退去したので、自分が住み始めたというような場合も、引き渡しを受けた日から6ヵ月以内にマンションを買った人が住み始めていないでしょうから、住宅ローン控除の適用は受けられません。

② その年の12月31日まで引き続き、住宅に住んでいること

住宅ローン控除の適用を受けるには住宅に住み続けていることが必要です。

そのため、例えば、2023年から住み始めて住宅ローン控除の適用を受けていたけれども、2028年に他人に住宅を貸すようになったり、住宅を売却することになって住まなくなったような場合は、2028年以後、住宅ローン控除の適用は受けられません。


あと、転勤や海外赴任で家族ごと転勤先に引越しをして、住宅に誰も住まなくなったり、他人に貸すようになった場合も住宅ローン控除の適用を受けられません。

但し、転勤のような場合は、手続きをすれば、転勤先から戻ってきて再度住み始めたときに再度住宅ローン控除の適用を受けることができます。

③ その年の合計所得金額が一定額以下であること

住宅ローン控除はその年の所得が多い場合には使えません。具体的には、

令和3年12月31日より前に住み始めた場合 合計所得金額3000万円以下
令和4年1月1日より後に住み始めた場合   合計所得金額2000万円以下

であることが原則必要です。

相続により取得した土地を売却して数千万円の売却金を得たような方は、その年は住宅ローン控除の適用を受けられません

④居住用財産の譲渡所得の特別控除(3000万円控除)等の適用を受けていないこと

住宅ローン控除は、居住用財産の譲渡所得の特別控除等の一部の特例とは併せて適用できないことになっています。

元々、住んでいた自宅を売却して、新たにマイホームを購入したような場合には注意を要します。

例えば、
・元々、愛知県豊明市に自宅(住宅①)を持っていて居住していた。
・新たに愛知県長久手市にマイホーム(住宅②)を購入して、2023年に引越しをして住むようになった。
・住宅①は住まなくなったので、2024年に売却した。

とします。

住宅①を売却したときに居住用財産の譲渡所得の特別控除を使う場合には、住宅②を購入するときに住宅ローンを組んでいて、住宅ローン控除を使いたいと思ったとしても、住宅ローン控除は使えません。

もし、令和5年(2023年)分の所得税の確定申告で住宅ローン控除の適用をしていた場合には、修正申告をしなければならないです。

2024年以降に新築で住宅ローン控除の適用を受ける場合は省エネ基準を満たすことが必要

従前は、住宅については床面積が50㎡以上あることが必要、店舗兼住宅の場合は2分の1以上が居住用であることが必要といった条件がありましたが、住宅の性能については耐震基準に適合していれば問題ありませんでした。

しかし、2024年1月以降に建築確認を受けて、新築し、その建築日付が2024年7月1日以降になるものについては、省エネ基準を満たした住宅でないと住宅ローン控除の適用が受けられないことになっています。


新築では省エネ基準を満たす住宅が多くなってきていますが、満たしていない住宅の新築は住宅ローン控除の適用ができませんので、ご注意ください。

なお、上記のような条件が付くのは新築の場合ですので、2024年以降に中古住宅を購入するときには、省エネ基準を満たしていなくても住宅ローン控除の適用は受けられます。

但し、住宅ローン控除の適用期間が10年までとなっており、新築の場合よりも3年短いです。また、住宅ローン控除の限度額も14万円となっています。

住宅ローン控除の金額の計算

令和4年以降にマイホームに住むようになって、住宅ローン控除の適用を受ける場合は、原則として、
年末残高証明書の金額×0.7%
 となります。

※ 令和3年以前は1%でしたが、税制改正により0.7%となりました。

ただし、住宅の購入金額を超える金額のローンを組んでいて、年末残高が住宅の購入金額を上回っている場合は、上記のようにはならず、住宅の購入金額が限度となります。

例えば、住宅の購入金額は2500万円で、住宅ローンの年末残高が3000万円の場合、3000万円の0.7%ではなく、2500万円の0.7%となります。

また、住宅ローン控除には限度額があります。

2022年・2023年に居住開始した場合

住宅の種類限度額(新築)限度額(中古の購入)
長期優良住宅・低炭素住宅35万円21万円
ZEH水準省エネ住宅31万5000円21万円
省エネ基準適合住宅28万円21万円
それ以外の住宅21万円14万円
※ 中古の購入の場合、住宅ローン控除の適用期間は10年です。

2024年・2025年に居住を開始した場合

住宅の種類限度額(新築)限度額(中古の購入)
長期優良住宅・低炭素住宅31万5000円21万円
ZEH水準省エネ住宅24万5000円21万円
省エネ基準適合住宅21万円21万円
それ以外の住宅住宅ローン控除原則不可 ※14万円

※ 2024年1月1日以降に建築確認を受けて、かつ、2024年7月1日以降に新築されたものは省エネ基準に適合していないと住宅ローン控除の適用が受けられませんが、それ以外のものは住宅ローン控除の適用が受けられます。
例えば、2023年中に新築住宅は完成していたが、住み始めたのが2024年になったような場合は、その住宅が省エネ基準に適合していなくても住宅ローン控除の適用はできます。但し、住宅ローン控除の適用を受けられる期間は10年で限度額は14万円となります。


このように、住宅の種類によって住宅ローン控除の金額が異なりますので、ご注意ください。

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