年別アーカイブ 2020年4月14日

投稿者:永井敦史税理士事務所・永井敦史法律事務所

自己破産をするために用意してもらいたい書類

自己破産をするためには様々な書類が必要です

以下、個人の方が破産するときの必要書類で代表的なものを紹介します。

預貯金の通帳

お持ちの預貯金の口座を明らかにする必要があるため、通帳が必要です。

残高が0でも必要です。

名古屋地裁の場合、申立前の1年前から記載があるものの提出が求められています。

そのため、最近通帳が新しく変わった場合には、古い通帳も必要です。

長いこと記帳をしていないと、合計記帳をされる場合があります。そのような記載があるときには、その部分の履歴を明らかにするため、銀行などから取引履歴を取ってくる必要があります。

インターネットバンキングを用いて、通帳がない場合でも、ログインをして履歴を印刷する必要があります。

保険関係

加入している保険があれば、その内容が分かる書類(保険証券など)が必要です。

生命保険、医療保険、自動車保険、火災保険などです。

現在加入しているものだけでなく、割と最近解約したものがある場合には、解約したものの資料が残っている場合にはご用意ください。

自動車

自動車をお持ちの方は車検証の写しをご用意ください。

自動車のローンが残っている方の場合は、自動車を購入したときの契約書があれば、ご用意いただきたいです。

ご自身が使用していれば、どなたの名義であっても車検証の写しはご用意ください。

また、最近自動車を売却された方は、売却したときの契約書等をご準備ください。

居住関係

賃貸物件にお住まいの方は、賃貸借契約書をご用意ください。

仮に、自宅を売却している方は、売却したときの売買契約書等一式をお持ちください。

収入関係

給与明細書を2か月分ほどご用意ください。

また、過去2年分の源泉徴収票確定申告書をご用意ください。

配偶者にも収入がある場合には、同様に給与明細書、源泉徴収票等をご用意ください。

負債関係

債権者からの督促のハガキ等をご用意ください。

住宅ローンの場合には、ローンを組んだときの金銭消費貸借契約書や返済計画書があると助かります。

滞納している税金や社会保険料がある場合には、それもご用意ください。

投稿者:永井敦史税理士事務所・永井敦史法律事務所

2020年の株主総会の開催をどうするか

悩ましい2020年の株主総会

新型コロナウイルスの感染拡大防止が呼びかけられており、特に三つの「密」を避けるよう呼びかけられています。

企業規模によっては、それなりに人が株主総会に集まりますので、感染リスクが否定できません。

2020年の株主総会はどうしたらよいのか簡単にご紹介します。

株主の数が少ない場合

株主が1人だとかせいぜい数名の会社では、そもそも株主総会自体を開いていないところも多いと思います。

総会を開くという意識がないことが多いからだとは思いますが、法的な裏付けもあります。

というのも、株主が全員同意すれば、株主総会の開催自体が省略できるためです。

そのため、親族外の株主がいて、毎年株主総会を開催しているような会社でも、今年については株主全員の同意を取り付けて、感染リスクのある株主総会の開催を回避することを検討してみてもいいでしょう。

もちろん、人数が少なければ、株主総会も会議室で行う程度ですので、感染防止策をとった上で開催することも考えられます。

株主の数が多い場合

株主総会の開催を省略するためには、株主全員の同意が必要です。
そのため、株主の数が多く、全員の同意が事実上得られない会社の場合には、株主総会の開催を省略することができません。

株主総会の延期

会社法との関係では、法務省の「定時株主総会の開催について」のページが出ています。

会社法296条1項は、「定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。」と規定しているだけですので、2か月以内とか3か月以内に開催しなければならないとはしていません。また、定款に2か月以内に開催する旨等が記載されていたとしても、開催できなければ延期するのもやむを得ないということですね。

ただ、法人税は原則として事業年度終了の日から2か月以内に申告と納付をする必要があります。

法人税の申告は、株主総会の承認を得た決算書に基づき行わなければなりません。

そのため、株主総会が開催できないと法人税の申告もできないことになります。

私は、法務省の上記のページを見たときに、税法上の問題がクリアーされなければ、如何ともしがたいだろうと思っていましたが、その後、国税庁のページに「国税における新型コロナウイルス感染拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」が掲載されました。

9ページに記載がありますが、
感染症の拡大防止のために多数の株主を招集させないよう定時株主総会の開催時期を遅らせるといった緊急措置を講じたこと」を理由として、申告・納付ができない場合には、申請すれば、申告期限等の延長を認めるということです。

そのため、手続は採る必要がありますが、それをすれば、株主総会を延期して感染が収まったときに開催することもできます。

開催する場合

開催する場合でも、書面や電磁的方法による議決権行使を推奨したり、委任状の提出を勧奨することで、実際に会場に来場する人を少なくすることが考えられます。

また、出席を控えるよう呼びかけることも可能です。

4月2日に経済産業省と法務省の連名で「株主総会運営に係るQ&A」が発表されています。参考になります。

投稿者:永井敦史税理士事務所・永井敦史法律事務所

借金が返済できない場合の対処方法

今後増えると予想される借金苦の方

新型コロナウイルスが猛威を振るっています。
今は、飲食店などの事業主の窮状が一部報道されていますが、状況が長引くと、企業に勤めている人でも賞与のカットや給料の減額ということが生じてきそうです。経営体力がない企業では契約の打ち切りや解雇をせざるを得ないと思われます。

収入が減れば、抱えている借金が返済できないという事態にもなりかねません。

そのような場合にどのような対処方法があるのかをご紹介します。

任意整理

任意整理は、カード会社などの業者と話し合いにより借金の返済方法を変更するものです。
将来発生する利息を減額又はカットして、返済期間も長くするといったことが一般です。
月々の返済額を減らすことで、何とか収入の範囲内で返済できるようにするのです。

私の経験だと、後で述べる破産などの法的整理をしたくない方や借金の額がそれほど多額ではない方は、任意整理で借金を整理するのに向いています。

自己破産

破産は、財産隠しをするなどの問題がない限り、借金を0にできます。

その反面、金額の大きい資産は手放さなければなりません。

住宅ローンが残っている自宅がある方は、自宅を売却しなければならないため、賃貸物件に引っ越す必要があります。

他方、金額がさほど大きくない資産は破産をしても手元に残すことができます。

自動車も購入して何年も経って資産価値もないような場合には、売らなくて済むことが多いです。

なお、会社が破産をすると、解散しなければならないため、事業を続けることはできません。事業を継続したい場合には、破産を選択することはできません。

自己破産をする場合には、裁判所に申立てをすることが必要です。

破産を申立てをすると、原則として破産管財人が選任され、破産管財人の下で破産手続が進められます。
破産管財人の仕事は多岐に亘りますが、①借金がどれだけあるのかを調査することや②資産を売却して債権者に配当をすることが主な仕事です。

さほど財産が多くなく破産管財人の仕事がないと見込まれるようなときには破産管財人を選任せずに破産手続を終わらせる場合もあります。

破産管財人の報酬も破産を申立てようとする方が負担しなければなりません。

それもあって、自己破産をするにも相応のお金が必要です。
本当に困窮している方は、破産管財人の費用がなかなか用意できず、破産を断念する方もいます。

私は、新型コロナウイルスの影響により破産をせざるを得なくなった方をできるだけ多く円滑に破産させるために、①破産管財人の選任基準を緩め、破産管財人を選任せずに破産を終えられるようにする、②破産管財人の費用を行政が全部又は一部を負担するといった対処をすべきではないかと考えています。

民事再生

民事再生は、借金を減額して事業を継続するというものです。また、民事再生は、継続的に収入があれば、会社や個人事業主だけでなく、会社員や公務員といった方でも利用できます。特に、個人の方で住宅を何とか残したいという方は民事再生ができないか要検討だと思います。

ただ、民事再生は、統計上も破産と比して利用件数が少ないですし、私の経験でも民事再生を利用しようとする方はかなり少数派です。

利用する方が少ないということは、制度自体に少し問題があるのではないかと思います。
新型コロナウイルスへの対応の一環として、もっと利用しやすいように法改正をしていただきたいですね。

投稿者:永井敦史税理士事務所・永井敦史法律事務所

令和2年分から基礎控除が変更されます

基礎控除額が38万円から48万円になります

所得税は毎年変更点がありますが、令和2年分から基礎控除が変更されます。

【変更点】
① 基礎控除額 38万円 → 48万円

② 合計所得金額が2400万円以上になると、段階的に基礎控除額が減額され、合計所得金額が2500万円を超えると基礎控除が受けられなくなります。

基礎控除は長らく38万円でした。余り税金の仕組みに詳しくない方でも基礎控除が38万円であることは知っている方も多いと思いますが、10万円増えて基礎控除額が48万円になります。

基礎控除額が増えると納税者にとって有利なのですが、令和2年から給与所得控除額の変更もあり、こちらは納税者に不利になっています。会社員の方にとっては今回の改正によってプラス・マイナスゼロになる方が割と多いです。

また、基礎控除はこれまで誰でも適用を受けることができましたが、今回、所得が多い人には適用できないようになりました。
少し前に配偶者控除も合計所得金額が多い方には適用できないようになりましたが、令和2年からは基礎控除にも合計所得金額による制限が設けられています。

給与所得控除の改正も合わせると、高収入の人にとっては増税になります。

2500万円も収入がある人が納めている税金

年末に国税庁のHPに掲載されている平成30年分の民間給与実態統計調査というのを見ていました。

これまで私も全く知らなかったのですが、「年間給与額800万円超の給与所得者は487万人で全体の給与所得者の9.8%に過ぎないが、その税収は合計6兆9233億円で全体の65.6%を占めている」と記載されていました。

年間給与額2500万円超となると、16万4000人で全体の給与所得者の0.3%に過ぎませんが、税収は2兆689億円で全体の19.6%を占めています

私もこの数字を見てかなり驚きました。単純な平均だと1人当たり1200万円以上の所得税を納付していることになります。

税金は所得の再分配の機能がありますので、収入が多い人が多くの税金を納めるというのは当然なのですが、それにしても給与所得者(会社員だけでなく会社役員も給与所得者になります)0.3%で給与所得者の税金の約2割も納めているとは知りませんでした。

なので、合計所得金額が2400万円を超えると基礎控除額が段階的に減るという制限を受ける人は割合的にはそれほど多くないはずですが、国税収入全体にはそれなりにインパクトがあります。

私はそのあたりの推計はよく分かりませんが、少なくとも数百億円単位の話にはなりそうです。

 

おわりに

ちなみに、令和2年3月16日までに行う確定申告は令和元年分のものになります。そのため、基礎控除の38万円のままです。令和3年に令和2年分の確定申告を行うときや令和2年の年末に行う年末調整などに基礎控除額の変更がダイレクトに影響してきます。

国税庁に掲載されている統計情報は興味深い情報も色々載っていますので、時間があれば、今後も紹介したいと思います。