民法(相続法)の改正②

著者:永井敦史税理士事務所・永井敦史法律事務所

民法(相続法)の改正②

相続開始後・遺産分割前に遺産が使われた場合

被相続人が亡くなったことを銀行に知らせるとお金を引き出すことができなくなるということで、亡くなった後もすぐに銀行には知らせず、その間にATMで預金を引き出すということは、しばしば見かけます。

葬式費用程度であれば、特段問題がないことが多いのですが、中には多額のお金を自分の生活費や借金の返済に充てる相続人がいたりします。

このように、被相続人が亡くなったときにはあったが、今はないものをどう扱ったらいいのか

例えば、被相続人が死亡したときには1000万円あった預金が、遺産分割の話し合いをしようとしたときには400万円になっていたとしましょう。

他の相続人は、元々1000万円あったのだから、1000万円を分けようと思うでしょうが、家庭裁判所の常識は、「遺産分割は今ある財産を分ける手続きだから、今ある400万円を分けることしかできません。もし、600万円はある相続人Aが使い込んだと言われるのであれば、それは直接Aに返せという裁判を別個やってください。」というものです。

家庭裁判所の言うことも一理あるとは思うのですが、別個裁判をするというのは、弁護士費用の負担が大きいという問題があります。そうでなくても、遺産の問題がなかなか解決しないということにもなります。

そこで、今回の改正により、共同相続人の中に相続開始後・遺産分割前に遺産を処分した(典型的には預金を引き出した)相続人がいる場合には、その相続人以外の相続人全員が同意すれば、その処分された遺産があるとみなして遺産分割協議をすることができるようになりました

【写真】4月上旬に内海にある某ホテルから撮影したもの

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